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世界でも類を見ない生態系!鳥の楽園ニュージーランド




ニュージーランドは羊の国?


ニュージーランドに住む代表的な動物をイメージした時、真っ先に頭に浮かぶのは羊ではないでしょうか。2020年に行われた調査によると、ニュージーランドには約2,616万匹の羊がいるそうです。ニュージーランドの総人口が約500万人ですから、その5倍以上の羊がいる事になります。ですので、「羊の国ニュージーランド」と呼ばれるのも納得できます。しかし、牧羊が盛んだった1980年代には7,000万匹以上もいた羊の数は、都市化や畜産業のスタイルの変化などの影響により、年々減少を続けています。


このニュージーランドを象徴する羊はこの国に元々いた動物かと言えば、そうではありません。ニュージーランドに初めて羊が来たのはキャプテン・クックの愛称で知られるジェームズ・クック(1728-1779)が1773年に南アフリカの喜望峰から連れて来たのが最初だと言われています。残念ながらその羊たちは上陸してから数日後に死んでしまいましたが、その後もヨーロッパからの入植者たちが次々と羊を伴ってこの地にやって来て、徐々にその数が増えていき、200年後にはニュージーランドで最も個体数の多い大型哺乳類動物になったのです。




独自の進化を遂げた生態系


ニュージーランドは約8千万年前程まではオーストラリアや南米、南極とは陸続きでしたが,約 6千万年前,ニュージーランドはこの大陸から分離し,その後再びつながることはありませんでした。


他の大陸から完全に孤立した事により、ニュージーランドの生態系は独自の進化を遂げ、コウモリ類、クジラ類以外の哺乳類が全くいないという世界的にも類を見ない生態系を形成しました。こうした偏った生態系の恩恵を受けたのは鳥類で、本来であれば天敵となるはずの哺乳類や爬虫類などがほとんどいなかったため、今やニュージーランドの象徴的動物となっている国鳥キーウィやフクロウオウム、タカ、3~4mもの身長があったと言われる巨鳥モアなど飛べない鳥による生態系が発達しました。






人間の入植によって絶滅した鳥たち


9世紀から10世紀頃にポリネシア地域からニュージーランド先住民マオリの人々がアオテアロア(ニュージーランド)にやって来ました。彼らはモアを乱獲し、15世紀までにはモアを絶滅させたと言われています。また、モアを餌としていたハースト・イーグル(ハルパゴルニスワシとも呼ばれ、羽を広げると3mもあった史上最大の猛禽類)もモアと共に絶滅しました。


19世紀に入って、今度はヨーロッパ系白人移民の入植が始まりました。彼らは犬、猫、ネズミ、イタチ、ポッサムなどの哺乳類動物を次々に持ち込み、更に大規模な森林伐採を行ったため、それまで長い間維持されていたニュージーランド固有の生態系が大きく乱されました。特にニュージーランド固有の鳥類の半数以上がまったく飛ばないか,極めて弱い飛翔力しかなかったため、多くの鳥類が人間がもたらした哺乳動物などに捕食されたり、環境の急激な変化などの影響により絶滅しました。


野鳥の楽園を再興するための取組み


20 世紀に入って、ようやく人々はニュージーランドの生態系の稀少性を意識し始め、動物保護法を整備しました。その動物保護法では絶滅危惧種だけでなく、在来鳥類全種の保護が条文化されました。当時,狩猟鳥以外の鳥類が法で守られている国は皆無であり,21世紀の現在においても、ここまで包括的に鳥類の保護を明文化している国はとても珍しいです。


現在、ニュージーランドでは外来種の動物を駆除して、固有の植物を植林した島やフェンスで囲って天敵の侵入を防いだ自然保護区に野鳥の楽園を作る取組みが行われています。中でも、オークランドからフェリーで約1時間ほどで行けるティリティリマタンギ島(https://www.tiritirimatangi.org.nz/)では、タカヘやコカコ、スティッチバードなどの絶滅危惧種や世界最小のペンギンであるブルーペンギンなど70種以上もの野鳥が観察できることで世界中から観光客が訪れています。その他にもニュージーランド各地に野鳥の保護区(https://teara.govt.nz/en/map/11932/wildlife-sanctuaries)が設けられています。機会があったら、ぜひこうした野鳥の楽園を訪れてみてください。

 


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