今年もまた梅雨の季節がやってまいりました。梅雨があけると、いよいよ蜂たちが活発に飛び回る季節です。
さて、マヌカハニーの本場ニュージーランドはというと日本と真逆の秋真っただ中。ミツバチたちは、冬支度をしている最中です。
そんなニュージーランドですが、近年ワスプ(Wasp)によるミツバチの被害が急増しています。
ワスプ?聞きなれない名称ですが、スズメバチ上科のうち捕食性の大型蜂のことで、日本ではスズメバチやアシナガバチとも呼ばれます。
ワスプによる被害が急増
この時期、ミツバチの女王蜂は産卵を終え、働き蜂は冬を越すための蜜集めで多忙を極めます。春先から夏まで大量にいた働き蜂も秋頃になると相当な数が減っています。
そこを狙うのがワスプです。働き蜂が減ったことで門構えが甘くなった巣箱に侵入し、蜜泥棒や幼虫泥棒を企てます。また、働きづくめで弱った働き蜂が巣箱の外で羽を休めているタイミングに襲われることも頻繁に見受けられます。時には元気なミツバチを3匹がかりで襲うこともあり(動画参照)、ワスプの獰猛さが伺えます。
鋭いアゴで上半身と下半身を噛みちぎり、栄養の詰まった下半身のみを持ち去るため、襲われた巣箱のまわりにはミツバチの上半身だけが散らばります。その間わずか数分という短い間にです。
秋のワスプから巣箱を守ることは、働き蜂の冬前の最後の大仕事となります。強いミツバチだけが冬を越せるというわけです。
ミツバチのワスプ撃退方法
ワスプはミツバチにとって天敵ですが、やられてばかりではありません。ミツバチが集団になってワスプに反撃する「蜂球行動」というものがあります。これは、天敵のワスプをミツバチが集団で囲み込み、殺す防衛行動のことです。
これまで二ホンミツバチ特有の行動と思われていましたが、最近の研究でセイヨウミツバチでも同様の蜂球行動が発見されました。
ニホンミツバチの場合、ワスプにミツバチが集団で抱きつき、体を震わせて発熱。ワスプのいる中心温度を47度以上にすることで蒸し殺しにします。ワスプは46度までしか耐えられないのです。
一方、セイヨウミツバチの場合は、蜂球の中心温度を44度程度しか上げることができないため、ワスプを蒸し殺しにすることはできません。そのため、中心にいるミツバチが自らの死と引き換えに針で差す行動をとります。刺されたワスプはパニック状態になり、自ら暴れて体温を上昇させて死に至るというわけです。まさに命がけで巣箱を守るのです。
ワスプ対策に国が動く
ニュージーランドでは、ミツバチのコロニー死が6年連続で増加し、2020年には約10万個のコロニーが失われたと推定されています。その一因の一つにワスプの被害があります。
2015年以降、ニュージーランドでは、国の政策としてワスプ退治を始めています。
ミツバチからの恵みのはちみつが国益にも繋がっているため、ワスプはミツバチだけではなくニュージーランド自体の敵とも言えます。
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